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【ミニマリストへの警鐘】減らし過ぎず、楽しめる服を持つ大切さ

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昔は服の数をこまめにチェックしていていました。
自分が今何着の服を持っているのかきちんと把握していました。
近頃は断捨離が過熱したこともあり、流動が激しく、今何着持っているのかよく分かっていません。

ふと思いつき先日数えてみると23着ありました。
パジャマ含まず、キャミソールやタンクトップ含まず、防寒のため冬限定で持っている部屋着(ベスト+重ね着スカート)を含めての数字です。

今は23着ですが、夏に向けて入手する服もあり、手放す服もあるため、やはりまだ流動的で適量○○着と定まっていません。
必ずしも1in1outとはいきません。

これからは23着をさらに絞り込んで無駄を減らし、その上で楽しめる服を足していく予定です。

せっかく減らしたのに「足す」なんてどうして?と思われるかもしれませんね。
シンプルにミニマルに暮らすことに相反するようですが、私は「足す」ことでお片付け、断捨離は完結すると考えています。

「足す」ことの大切さを、私の経験を踏まえてお伝えします。

やっぱりスカートが好き

学生時代はずっとスカート派でした。
ズボンが必要なときは慌てて買いに走ったくらいです。
せっかく買ったパンツボトムは必要がなくなれば、まったく履きませんでした。

そんな私がいつしかパンツボトムしかほぼほぼ履かない暮らしをするようになりました。
効率を求めると、スカートよりパンツに軍配が上がります。
よほどのお出かけシーンくらいしかスカートを履かなくなくなりました。

効率を求めるとパンツ2本あれば十分

今冬は3着のパンツボトムとワンピース2着で過ごしました。
パンツボトムは余剰に持っているためそのままカウントしましたが、2着で充分ローテーションが組めます。余剰分は頃合いを見て処分予定です。

3着の内訳はスキニーデニムとチノパン2種(ストレート・テーパード)。

以前は冬限定の___コーデュロイのパンツや裏地の付いたウールのパンツなどを持っていました。
着る機会が非常に少ない割に収納場所をとるため、数年前になくすことに成功しています。

通年着用できるパンツを冬でも履くようにしました。
寒かったらレギンスを重ね履きすることを考えていましたが、冷え症対策が功を奏したのかインナーを活用することはありませんでした。

基本的に2着のパンツボトムがあれば十分暮らしていけます。
ワンピースやスカートは無駄な持ち物。
この2本のパンツボトムだけを持つことが効率的ともいえます。

ワンピースを取り入れてみた

いつもならこの通年仕様の2着のパンツボトムだけで着回すのですが、今シーズンはここにワンピースを取り入れてみました。

パンツ_パンツ_ワンピース…、のように。

特定のアイテムを必要とするシチュエーションでない限り、だいたい順繰りに着ています。

普段家にいるときにワンピースなんて…って最初は思いましたが、今では当たり前になりました。
ワンピースを着ているときはとても気持ちが良いのです。
よほどでない限り動きに差し支えないし、暖かいタイツなので冷えもありません。
一言でいえば、とても快適でした。

今では、なぜ私はワンピースを着ることをためらっていたのだろうと不思議に思うくらいです。

ワンピースを着なかった理由

以前はほとんどワンピースを着ませんでした。
月に数回着るくらいでした。
たくさん持っていたにも関わらず、大好きなアイテムにも関わらず…です。

着用しなかった理由は、パンツの方が動きやすいからと、ワンピースやスカートスタイルだとタイツを履くことになるからです。

このタイツが曲者で、よく傷むからコストはかかるし、化繊の感じも嫌でした。
何度も買ううちに少しは買い物上手になって、つま先補強タイプや防寒使用の厚手タイプ(厚みがある分傷みにくい)を選ぶようになりました。
お値段もかかりましたが傷みにくく長持ちしました。
毛玉ができれば寿命と考え処分しました。
こだわって選んだタイツは化繊だけが気がかりでした。

理想のタイツに出会う…でも

ある日コットン混のタイツに出会いました。
予算をはるかに超える、私にとっては高額な3,000円ほどのタイツでしたが、即決しました。
私が求めているタイツはこれだと確信したからです。

コットン混タイツは履き心地もよく大変重宝しましたが、なんせ3,000円の高額タイツです。
むやみに履いてはいけないような気がして、あろうことかなるべく履かないようにして、大切に大切にしまいこんでいました。
ようやく理想のタイツに出会えたというのに、全然履かないなんて。
今の私からしたら悶絶ものですが、マキシマリスト時代はタイツだけにとどまらず、万事この調子でした。

時は流れ、モノを減らし、持っているモノを活用するように変わっていきました。
それでも、タイツはなかなか着用しませんでした。
さすがに最初のコットン混タイツは何年も前に購入したものなので買い替えましたが、新しいタイツをなかなか履けずにいました。

タイツは決して嫌いではありません。
化繊と違い、ほとんどコットンのため肌あたりが優しく、気に入っています。
靴下に比べとても高額なので、ひどく贅沢な気がして躊躇してしまっていたのです。

持っているモノを使いこなす暮らしが開眼

ようやく「高額タイツを履く罪の意識」が解き放たれたのが、今冬です。
2代目コットンタイツも数年前に購入したものだったし、躊躇することもないなと思いきれたのです。
また、何度か履いていますが、毛玉など全然できず、つま先も破れす、丈夫さを実感していたこともあります。

3~4日に1回ほどのペースでワンピース+タイツを着用しました。

最初は気恥しさがありましたが徐々に慣れてきて、「ワンピースを着てこそ私」くらいに思うようになりました。
ワンピースは好きだと思っていましたが、いつも着ることでものすごくワンピースが好きだと気づきました。

これだけ気分が良くなり、また丈夫で品質の良いタイツなら3,000円は高くないと考えるようになりました。
タイツを履けば気になる紫外線もさほど気になりません。
秋冬はもっと、もっとワンピースやスカートスタイルを堪能しようと決意しました。
すると本当に心がふわっと軽くなり、生きるのが楽しくなってきました。

私は大好きなワンピースやスカートを着ない暮らしを、まるで修行僧のように耐え忍んでいました。
そんな苦行、わざわざする必要なんてないのに。

もっと自分らしく好きに暮らして良い。
昨年の夏もワンピースを導入したことで、同じように幸福感に包まれました。
片づけにより、失いつつあった自分らしさを取り戻してきました。

思ったのです。
「減らすこと」で“楽”になることはあっても、“幸せ”を感じられるのは「あること」なんだと。

お気に入りのもの、大好きなもの、大切なものが「ある」暮らしが幸せを感じられるんだと。
減らすのは本当に大切なものに気づくための手段に過ぎないのです。

効率を求め過ぎると非効率になる

モノを少なく持つ暮らしは効率的です。
衣類は暑さ寒さをしのげる最低限だけで十分です。
持ち物が少ないと、楽で自由に生きていけます。

そのような効率や便利の追求は、果たして本当に楽で快適になるのでしょうか。
確かに効率の良さや便利さの恩恵にあずかる機会は多々あります。
しかし求め過ぎるとかえって非効率、不便を享受することになると考えています。
まるで増えすぎてしまったモノに手が余るように___。

例えば___

時給の高い仕事は効率的です。
給料の高さに救われることもありますが、時給だけで仕事を選び、向いていないこと、合わないことを続けていくことは精神的・肉体的にきついものがあります。
やはり好きなこと、得意なこと、情熱を持てるものに人生を懸け仕事にしたい。
食べていくことさえできれば、ずっと楽な生き方だと思います。

例えば___

食器を洗うのに食器洗い機にかけるのは便利です。
食器洗いが楽になり、家事の苦労から解放されるでしょう。
ですが、食器洗い機に食器をセットするのも手間です。
食洗機にかけられないものもあります。
「手伝ってよ」と家族に呼びかけても「食洗機にかけるだけじゃない」なんて声が飛び出してきたり。
家事の大変さを理解される機会が失われているかもしれません。
家族のために頑張っているのに、誰にも気にとめられないなんて辛い生き方のように思えます。

便利で効率的な暮らしは一長一短があります。
大切なのは意図して、選ぶことです。
言いかえれば、どんな苦労を引き受けるのかを決断するのです。

 

話をファッションに戻します。
パンツボトムは非常に便利で機能的なアイテムです。
重宝していますが、スカート派の私にとっては便利以外のなにものでもなく、さしてときめかないアイテムです。
一方、スカートはパンツボトムほど動きやすくはないものの、着ているだけで気分が良くなります。
この場合、パンツを履くときは自分が気分良くなれるよう努力することが必要で、スカートを履けば所作に気を付ける必要があります。

そのときどきのシチュエーションを考え、苦労を引き受けられる方を選ぶのです。

私の暮らしを吟味すると、もう少しスカート着用率が高くて良いと考えました。
スカートを堪能し満足すれば、パンツボトムの有難さが分かり、機能重視でしかなかったパンツボトムにもときめくようになるでしょう。

こうなると、ますます装うことが楽しくなり、生きていくことが楽になります。
効率的なパンツボトムの着用機会を減らしたのに、人生が軽やかになりました。

冒頭で服の数を数えなくなったと書きました。
数字に意味がないと考えはじめたからかもしれません。

 

思い返すとパンツばかり履いていた頃(つい最近も)は、苦しかった。
されど服ですが、それでも自分が楽しめる服を身につけると幸せを感じました。
必ずしも効率や便利が私を救うことはないと気づいたのです。

美しい服が救いになることもあるのです。